読書の秋/秋の夜長に読むお薦めの一冊

2006年09月19日|お役に立てば幸いです

新しい社員が入ると、折を見て読ませる一冊の本があります。
城崎温泉の取材に来た人で、「これは…」と思う人に必ず紹介する一冊の本があります。
何度も城崎温泉にお越しになる城崎をたいへん好意的に思っていただけるお客様にお薦めしている一冊の本があります。

それが 『城崎物語』 であります。

初版は昭和58年。平成2年に再販され、今手元にあるのは平成17年に改訂された最新版。
この本は、城崎温泉の歴史を1,400年前の伝説の頃からたどったものでありますが、三度に渡って改訂され、新しいことも追加され、単なる歴史書では無い“奥の深さ”があり、何度読んでも引き込まれるのでありました。

私としては、大正14年に起きた大震災以後の復興から現代に至るまでが特に面白いと思っています。今はなくなってしまいましたが、NHKのプロジェクトX(エックス)に紹介したいくらい、様々な人間模様が描かれ、嘘偽りのない生の話がちりばめられているのです。

それを本を総括した冒頭の文から引用してみますと…

しかし、この地に湯の恵みをもたらした大地は、思いもよらぬ試練を与えた。大正14年の北但大震災は多くの命と温泉街そのものを奪った。また、決して豊富ではない湯をめぐり、町中が内紛に明け暮れた時代もあった。だが震災から街はよみがえり、争いは画期的な湯の集中管理方式を生みだした。団体客が押し寄せた高度経済成長期、はびこる暴力団との闘い、温泉離れと不況、そして静かに訪れた温泉ブーム、豊岡市などとの合併による城崎町の消滅。。。。。激しい波にもまれながら、この町は湯を唯一のよりどころとして生きてきた。

城崎に生まれ育った私としては、先人のたいへんなる努力に感動をするのですが、そうでない方たちもきっと楽しんでいただけるものと思います。この本はノンフィクションであるだけでなく、人間たちのドラマが綴られているのであります。