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感激:豊岡市長の挨拶

2005.09.23|コウノトリプロジェクト

コウノトリネタが続きますが、ご容赦下さい。
明日の放鳥当日は、おそらくは各メディアが大々的に取り上げ私が報告するまでもないと思いますので、明日は大人しくしていようかと思います。今日のところはご容赦下さいませ。

豊岡市では各家に防災無線が備わり、緊急放送や大切なお知らせが市内に一斉に流れるようになっています。
今朝7時、そして今晩8時の計2回、市長の中貝(なかがい)さん自ら、この防災無線を使って全市民への呼び掛けがありました。
録音とはいえ全市民に対して市長の肉声が流れることは異例中の異例。ちょっと驚いてしまいました。
けれども旧豊岡市長時代から「コウノトリ市長」と呼ばれていた中貝さんの、熱い思いが伝わってくるようななんとも言えない感激を感じたのは私だけでありましたのでしょうか。

市長の話は次のようなものでありました。

明日、いよいよ人工飼育のコウノトリ・5羽が大空に放されます。
コウノトリの保護活動が明確な形を取ってから50年、人工飼育の開始から40年、野生の絶滅から34年。コウノトリを滅びさせまいとする願いは受け継がれ、再び空へ帰そうという努力は積み重ねられて、ついにそのときが近づいてきました。
これまでに、長い時間と膨大なエネルギーが必要でした。これから先も同様でしょう。
なぜそれほどまでして、コウノトリの野生化なのでしょうか?
コウノトリは食物連鎖の頂点に立つ大型の肉食の鳥です。したがって、コウノトリが再び野生で生息できるためには、豊かな自然――川や水路、田んぼや里山などに多様でたくさんの生きものが暮らす自然――の再生が必要です。同時に、コウノトリを暮らしの中に受け入れるおおらかな文化の創造も不可欠です。
そのような環境(自然環境と文化環境)は、実は人間にとってもすばらしいものであるに違いありません。そこで、コウノトリの野生化をシンボルにして、コウノトリも住めるような豊かな環境を創り上げようというのが、野生化事業の最大の狙いです。
そのために環境創造型農業の推進、田園と河川・水路の自然再生、里山の整備、環境学習等様々な取り組みを市民と行政が一体となって進めてきました。
コウノトリの野生化は、私たち自身の「豊かさ」を追い求める挑戦であり、地域の誇りをかけた取り組みでもあります。今回の放鳥を機にさらにその輪を広げていただきますように。
明日、再び自由な翼を得たコウノトリは、市内のあちこちを飛びまわることでしょう。ひょっとすると、あなたのそばに舞い降りるかも知れません。その時は、どうかやさしい気持ちでそっと見守ってください。幸せを運ぶと言われるコウノトリは、きっと私たちの地域に“幸せ”を届けてくれるはずです。